日本旧石器学会

2008年度委員会報告

総務委員会

 2009年度に九州旧石器文化研究会と共催で旧石器学会を計画したため、通常事務と鹿児島大会関連事務の2つに分けることができる。前者では、1.会員名簿の管理(新入会員の入会・会員住所変更など)、2.第7回旧石器学会全般にわたる運営事務(現地協議ほか)、3.APA中国大会に関する会員周知等、4.役員間・委員会間の連絡、会誌4号、ニュースレター第10・11号などの発送、5.旧石器研究、ニュースレター、シンポジウム予稿集バックナンバーの保管ならびに会誌、予稿集の販売(日本考古学協会2009年度総会図書交換会での刊行物販売を含む)、6.「教科書問題」作業部会の立ち上げ、ホームページ(以下、HP)立ち上げのための準備事務を行った。1については、2009年3月で会員数232名、2008度の新入会員8名、退会者2名である。また、5については会誌等は明治大学博物館に保管しており、会誌・シンポジウム予稿集の販売を六一書房に委託している。後者では、1.九州旧石器文化研究会鹿児島県実行委員会との協議、2.旅行業者との折衝を行った。

会誌委員会

 2008年度の委員交代に伴い従来の4名体制から6名体制となり、会誌第5号の編集を行った。編集委員が分担して編集作業を行い、木アが最終的な編集、印刷所との交渉などを行った。第2号からシンポジウムの成果を反映させる目的でシンポウム小特集を行い、関連原稿については会誌委員の査読のみであったが、本誌の査読誌としての性格を明確にするため役員会の議論を通じて本号から一律査読を行うこととなった。これに伴い、発表者には執筆依頼状に替えて査読制度を適応する旨を明記した執筆案内状を送付した。第5号は、シンポジウム特集原稿5、一般投稿原稿4で査読審査の結果、全て掲載した。最終的に、巻頭言1、シンポジウム特集5、原著論文1、翻訳2、報告1、書評1、2007年度委員会活動報告など本文は163頁、表紙、目次などを加えて合計166頁となった。

渉外委員会

 2008年6月にロシア共和国アルタイ州で開催されたAPA設立総会に参加した。設立総会は「オクラドニコフ生誕100周年記念国際シンポジウム」開催会場で行われ、事前に日・露・韓・中4ヶ国代表者が協議を行い、会長、副会長、執行委員の選出を行った上で、6月29日に総会を開催して参加者に承認された。実質的には今回のシンポジウムが第1回のAPA大会となった。また、今後の予定として、2009年度は中国、2010年度は韓国、2011年度は日本での開催が承認された。2009年度の第2回APA大会は2009年10月19日〜23日に北京市において中国科学院古脊椎動物・古人類研究所、中国科学院地質・地球物理学研究所の主催で行われる「北京原人発見80周年記念古人類学国際学会・第一回アジア第四紀学会会議」の特別セッションとして開催される。これに関連して、APA大会が独立して設定されていないこと、「スヤンゲとその隣人たちシンポジウム」がAPAの後援で実施されることなどファーストサーキュラーにおける疑義を中国側の実質的委員長である高星氏に提出し、訂正をお願いした。前者については妥協せざるを得ない状況であったが、後者については削除させることとした。日本旧石器学会からの情報発信は例年通り行っており、『旧石器研究』第4号、ニュースレター第10、11号を、韓国、中国、ロシアの学会事務局宛に送付した。

ニュースレター委員会

 2008年度は第10号を2008年10月、第11号を2008年4月に発行した。第10号は、2008年6月に首都大学東京講堂ホールで開催した第6回日本旧石器学会の報告ならびに2007年度委員会活動報告、2008年度委員会活動計画などの定例報告とともに、アジア旧石器協会の設立報告およびA.P.オクラドニコフ生誕100周年記念国際シンポジウム参加記を掲載した。第11号は、最近の研究動向の紹介として、中国における中・後期旧石器時代の研究動向について奈良文化財研究所(飛鳥資料館)加藤真二に依頼した。このほか、新会長の就任挨拶、2009年6月開催(鹿児島県)予定の第7回日本旧石器学会のお知らせなどを掲載した。

研究企画委員会

 2008年6月22日開催のシンポジウム「日本列島の旧石器時代遺跡−その分布・年代・環境−」の企画を立案し、6月21日に行った記念講演、一般研究発表、6月21日・22日に行ったポスターセッションを含めた開催準備(発表依頼、シンポジウム予行集の編集・刊行)および当日の運営を行った。また、2009年度開催予定の鹿児島大会に向けて九州旧石器文化研究会とシンポジウム他の内容について協議を行い、シンポジウムテーマは「南九州の旧石器時代石器群−「南」の地域性と文化の交錯−」、記念講演は鹿児島大学井村隆介氏に「南九州の環境変遷史」を演題としてお願いすることなどを決定した。

データベース委員会

 日本旧石器時代(先土器・岩宿)遺跡データベース作成作業を継続した。2008年度までに37都道府県、10431件のデータが寄せられていたが、2008年度にさらにお願いをして43都道府県、11709件のデータが寄せられ、残りを含めて年度内に成果をまとめられる見通しとなった。現在、成果刊行に向けて最終的なデータのチェックをして、各都道府県にデータの補足、修正などをお願いしている。また、成果を刊行物として出版することを前提として作業を進め、その内容について検討した。


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