日本旧石器学会
尻労安部洞窟報告会の案内が届いております。

尻労安部(しつかりあべ)洞窟の発掘成果報告会

 慶応大学の佐藤孝雄さんからのご案内です。

 尻労安部洞窟は下北半島北東部の石灰岩地帯に所在する旧石器時代、縄文時代、弥生時代の遺跡です。慶應義塾大学民族学考古学研究室を中心に組織された調査団は、11 年にわたる調査によって、後期更新世の堆積層から旧石器時代の複数の石器と絶滅大型動物を含む多数の動物化石を発掘してきました。これらは、旧石器時代の狩猟活動を解明する上で大変貴重な資料となります。

 出土動物化石にウサギの歯が多数含まれていた点は、わけても注目に値します。理化学的な測定により約2 万年前という年代値が得られたそれらは、旧石器時代人がナウマンゾウヤオオツノシカといった大型獣のみならず小型獣も積極的に利用していたことを示す証左となります。

 8月4日の報告会では、これまでの成果を分かりやすくご説明するとともに今年度の最新の調査成果もご紹介する予定です。私たちとともに「洞窟に眠る氷河時代」に思いを馳せて頂ければ幸いです。


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