日本旧石器学会

2018年度 日本旧石器学会第16 回総会・研究発表・シンポジウムについて

 2018年6月23日(土)・24日(日)早稲田大学戸山キャンパスにおきまして、下記のとおり日本旧石器学会第16回総会・研究発表・シンポジウムを開催します。
 シンポジウムは、「日本列島への人類拡散と後期旧石器時代の成立を考える」と題して行います。日本列島では約4万年前から旧石器時代の遺跡が増えます。その背景に大陸からのヒトの拡散の影響があったことは明らかですが、それがなぜどのように起きたのかについてはさらなる検討が必要です。近年、東アジアの古環境や、哺乳動物群の展開に関する研究が進展し、形質人類学・遺伝人類学の成果と合わせ、後期旧石器時代が成立する背景的要因となる、東アジアの人間集団の分布や多様性の形成に関する理解が深まりつつあります。本シンポジウムでは、こうした関連分野の専門家から研究の現状報告をうけるとともに、列島およびその周辺の後期旧石器時代初頭の考古学的証拠やパターンを整理し、背景にある諸要因との関連を議論します。

2018年6月23日(土)

総会(13:30〜14:30)*12:30受付開始
研究発表(14:45〜17:00)  一件20分(質疑込み、休憩15分)
西秋良宏「中期旧石器時代前半における新人ユーラシア拡散の可能性について」
夏木大吾「北海道における縄文時代草創期文化の石器群」
池谷信之・中川真人「相模原市橋本遺跡出土石器群の黒曜石原産地推定と編年的再検討」
加藤真二「中国における“北方系細石刃石器群”の拡散について」
金井拓人・保坂康夫「石英石器産地推定へのアプローチ」
青木要祐「細石刃核甲板面にみられる擦痕の効果に関する予察」
懇親会(17:30〜19:30) 会場:染谷記念国際会館1階レセプションルーム) *開始時間は変更になる場合があります。

2018年6月24日(日)

シンポジウム 『日本列島への人類拡散と後期旧石器時代の成立を考える』(9:00〜12:00)*8:30受付開始
中沢祐一「趣旨説明」
入野智久「更新世の東アジア地域の古気候変動と日本列島」
松村博文「アジアにおけるホモ・サピエンス拡散の二重構造モデル」
太田博樹「遺伝人類学からみた東アジア・日本列島への人類の拡散」
河村 愛「東アジア動物相の日本列島への拡散」
上峯篤史「日本列島の後期旧石器時代を遡る石器群」
赤井文人・高倉純・中沢祐一「古サハリン-北海道半島におけるLGM前の石器群」
尾田識好・神田和彦「古本州島の後期旧石器時代前半期石器群(東北部)」
杉原敏之「古本州島の後期旧石器時代前半期石器群(西南部)」
*一件20分(質疑込み、休憩15分) *発表タイトルは変更になる場合があります。
<昼食休憩 12:00〜13:30>
ポスターセッション・コアタイム(12:30〜13:30)
野口 淳・横山 真・千葉 史・佐藤祐輔・神田和彦・渡邊玲・小菅将夫「石刃技法の3D形態測定学:考古学資料と実験資料を3D計測でつなぐ(1)」
横山 真・野口 淳・千葉 史・佐藤祐輔・神田和彦・渡邊玲・小菅将夫「石器製作ハンマーの3D形態測定学的検討:考古学資料と実験資料を3D計測でつなぐ(2)」
光石鳴巳・白石 純・森先一貴「岩屋産サヌカイトの評価をめぐって」
堤 隆「野辺山高原における後期旧石器時代の緑色チャート利用」
及川 穣・今野晃市・松山克胤・千葉 史・横山 真・品川欣也・藤川 翔・粟野翔太「広島県三次市下本谷遺跡の試掘調査と出土遺物の3D計測―出土状況の可視化と石器接合シミュレーション過程の報告―」
白石浩之・加藤悠雅・社本有弥「愛知県新城市萩平遺跡A地点隣接地における旧石器時代文化のもたらす意義」
酒巻孝光「星野遺跡地層たんけん館地点採集石器の紹介」
※併せて遺物の展示を行う予定。
沖野 実「愛媛県伊予市高見I遺跡2次調査速報」
橋詰 潤「新潟県小瀬ヶ沢洞窟遺跡出土石器の再検討」
パネルディスカッション(13:30〜15:00)
  *ディスカッションに際して次の簡単な報告があります(各10分程度)
佐川正敏「中国の後期旧石器時代前半」
中川和哉「韓国の後期旧石器時代前半」
◯ 講評(15:00〜15:15)
◯ 閉会(15:15〜15:30)

※会員のみ、総会(23日(土)13:30〜14:30)出席には、参加申込をしてください。

 お送りする葉書に必要事項を記入の上、6月15日(必着)までに事務局までお申し込み下さい。また、やむを得ず欠席される場合は、会則第5条により、欠席の委任状を含め全会員の5分の1以上の出席をもって総会が成立しますので、同葉書下段に記載された委任状に記入、押印のうえ投函願います。

宿泊

 宿泊の斡旋はいたしませんので、各自でご手配ください。
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